経営は無理ゲー Written by Daisuke Yoshida

億万長者の溶接工

投資


職人の金融リテラシー
日本では金融に関する教育というのが先進国の割に進んでいない。そもそもホワイトカラーとブルーカラーの人達を比較すると、お金に対する価値感はどうしてもブルーカラーが低いように見える。
そいうったデータがあるわけではないが、私が様々な職人と接してきた限り、将来のお金に対して真剣に考えている人にあまり会ったことがない。たまに現れるのが投資と投機を混同している人ぐらい。
ほとんどが就職して車を買って結婚して子供が出来てマイホームを買う、それが人生の目標かのごとく。
それは幸せなことなのだろうか。
自分自身を奴隷化するこの洗脳された”人生の目標”をみな疑うことなく歩んでいる。
また家族がいなくとも見栄のために無理して良い車に乗ったり、身の丈に合わない時計をする。
今でこそ若者はそういったことに関して興味が薄れていそうだが、それでも自分の社員達を見ていると10万円の財布を買ったり、全身わけのわからない洋服にお金を使ったりと、とても有意義な使い方とは思えない浪費の仕方をしている。
とはいえ私も、浪費をした時期はある。
その時期があったからこそブランド物や高級車、明らかに負債と思える物に対して嫌悪感が芽生えたのかもしれない。
私の会社に在籍するそこそこのレベルの職人達の平均年収は日本の平均を超えていると思うが、それでもリテラシーがないためにみんな支払い地獄の貧乏だ。
いずれくる将来に楽観的なのは幸福でよいと思うが、私は労働からの解放を20代から望んできた。
現在は一日中寝てようが働こうが年収は600万だが今年は新事業のためにリスクヘッジで年収を半分にした。だが来年は2,000万から2,400万の間にしようと思う。
もちろんそれに相応しい社長としての働き方はするつもりだが、生活費は現在のところ妻とトイプードルを養うだけなので全ての支出で毎月36万満たない。その内7万は小規模共済の積立なので、全ての生活費は30万満たない。無駄をもっと省けば25万以下で生活できそうだ。そして余ったお金は全て投資か貯蓄、新事業の構想や会社の増資などに使う。

現実的な億り人
ここからが本題なのだが誰もが夢見る億万長者。そこに5年で達することはできるだろうか。また達するためにはどれほどの年収があってそこから貯蓄や投資にいくら回すべきなのか。
年収が2,000万だとする。
月収が166万で手取りが約140万だとする。
すると自分の場合、生活費は夫婦2人で36万あれば余るくらいなので、100万は余ることになる。
それを全額投資に回す。
今は堅実な運用と言えばインデックスファンドの全米株式しか選択肢はないだろう。
毎月100万積立てて行くと、まず元本だけで6,000万になる。利息が800万ほどで、税金も考えるとこれじゃ引退は出来ない。
なので2,400万に年収を変えてみる。
すると130万投資に回せる。
すると5年で利息含め8,840万の計算になった。
微妙に足りない。
2,700万にすると1億200万になっている。
建設業の社長で2,700万は相当ハードルが高い。
今の自分の会社の成績からいっても2,000万が関の山なので、5年は撤廃して月100万の積立を7年5%で運用出来れば晴れて億り人である。
ちなみに月10万で億りたい場合、5%の運用で33年かかる。
老後に達成となるが、歴史から学び長期的に見れば株価は上がるので達成出来そうな気がするが、気が遠いので結局誰もやらないだろう。
ローマは1日にしてならずだが、33年かかることを来月、来年から始めれる人間はそういないだろう。ましてや給料10万を毎月となるときついものがある。
となれば、やはり投資するためにはまず年収をあげることが1番目にすることであって、少ない額で投資したとしてもFIREなんて夢のまた夢、節制が出来ない人にはものすごく苦行である。
10年前の初めて金持ち父さん貧乏父さんを手にした自分にはこの計画は机上の空論だったが、もはや夢ですらなくなりある程度リアルに思い描ける未来にまでなった。
世の中は常にレバレッジを効かせないと大きな成功は難しいと思うが、もし最悪FIREを達成出来なくとも、まずは稼ぎを増やす、支出を減らす、この2つが人生の幸福度を上げ漠然とした不安をなくす最善の道かもしれない。
私は今の財産と合わせれば5年で晴れて億り人。
その後の人生は特に決めていない。
どこか田舎の山か海で妻と犬とその頃いるかわからない子供とのんびり暮らすのが夢だ。
社員にこんな事言っても、社長だから出来ること、と言われて終わる。
だが彼等もやり方は同じじゃなくとも同じ事を目標とする者もいる。
結局のところ、明日を変える者は行動するかしないかで決まるのだとしみじみ思う。